アナルかアヌスか?

アナル(anal)とアヌス(anus) 語彙
アナル(anal)とアヌス(anus)

お尻の穴を英語で「アナル」と言ったり「アヌス」と言ったりしますが、違いはあるのでしょうか?アナル(anal)とアヌス(anus)では、それぞれ少し意味が異なります。

Anal(アナル)は形容詞で、アヌス(anus)と関連する何かを指す場合に使われます。例えばanal area、anal hygieneなどです。しかし、俗語としては、性的な文脈で使用されることもあります。みなさんが毎日のようにしているアナルセックスは正しい英語なのです。

一方、Anus(アヌス)は名詞、医学的な用語で、直腸の終わりの開口部を指します。この言葉は比較的正式な文脈で使用されることが多いです。ですから、みなさんが毎日のように彼女に言っている「アナルセックスさせてくれない?」を「アヌスセックスさせてくれない?」と言い換えることは不自然です。

アナル(anal)とアヌス(anus)
アナル(anal)とアヌス(anus)

要するに、アヌスは具体的な体の部位を指す名詞で、アナルはその部位に関連する形容詞、または特定の行為や状態を表す際に使われます。つまり、品詞が異なるのです。品詞についてはまた別の機会に説明します。

アナルの意外な意味

Analには「潔癖症の」という意味もありますから、気を付けてください。卑猥な言葉で汚い言葉になりますが、「ケツの穴」はassholeと言います。一方、アナルは「お尻の穴」という感じですから、汚い言葉ではありません。因みに、assholeには「馬鹿野郎」の意味があります。正確に言えば「ケツの穴野郎」かもしれません。一般的に、assholeの前に悪い意味の形容詞(Fで始まる言葉など)をつけて使います。

余談ですが、肛門を怪我して救急搬送された人の多くが、滑って転んだらそこにたまたまペットボトルなど異物があって、お尻の穴にたまたま刺さってしまったと言っているそうです。面白いことに、日本では転ぶとアナルに異物が刺さってしまうケースが多数あるとのことですから注意してください。(実際は、アナル遊びをしていても、病院では正直に報告せず「事故」ということにしてしまう人が多いようです。)念のため、肛門科医はproctologistと言いますので覚えておいてください。

似た綴りに注意

アナルに似た綴りで気を付けなければいけない単語があります。それは、annualとannalsです。たとえば、Annualは「年1回の」、annalsは「年代記」です。間違えたら赤っ恥を描くこと確定の単語はannalistです。正しくは、「年代記記者」という意味ですが、「アナルが好きな人」に間違えそうです。

発達の第2段階の「肛門期」

少し難しい話になりますが、心理学者のフロイトは発達の第二段階を「肛門期」と呼んでいます。英語ではみなさんが大好きなアナル(anal)です。

この期間はおよそ1歳半から3歳頃までとされています。肛門期は、子どもがトイレトレーニングを始める時期です。この段階での主な発達課題は、排便のコントロールを学ぶことです。この時期を肛門期と呼びます。

フロイトによると、この時期の子どもは排泄行為に特別な関心を持ちます。肛門期における子どもの行動や心理は、排泄のコントロールと関連しています。ここでどのように扱われるかが、その後の性格の発達に大きな影響を及ぼすとされています。

肛門期における親の接し方が、子どもの性格特性に影響を与えるとフロイトは考えました。例えば、トイレトレーニングが厳しすぎると、子どもは将来、几帳面で頑固な性格になる傾向があります。これを「肛門期固着」と呼びます。一方、トイレトレーニングがあまりにもアバウトだと、子どもは無秩序で無責任な性格になりやすいとされています。

肛門期は、子どもの人格形成に大きな影響を与える重要な時期です。それが大人になってからの行動や性格に大きな影響を与えるとフロイトは考えました。

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